HOME > お茶道具、仏教美術、作家物、様々な美術品・骨董品についての基本情報 > 玉について(玉器・装飾品など)
玉には長い歴史がある
玉は宝石の一種ですが、透き通るような透明感はありません。
多くは、半透明か不透明の石なので、一見すると宝石らしくもありません。
それでいながら、ガラス細工のような光沢を出しています。
光沢には、ガラス光沢のものと樹脂光沢のものとがあります。
樹脂光沢はガラス光沢に比べるとマイルドな光沢で、色も白玉、黄玉、赤玉、碧玉、黒玉など様々に分類されます。
これらを比較してみると、どの色にも緑色が含まれていることが分かっています。
玉は、概ねタリム盆地やクンルン山脈辺りの中国西部で産出されており、今でも主な産地は新疆ウイグル自治区にあります。
その昔から中国ではお守りとして大切にされてきました。
玉を加工した器は、玉器として王様が好んで使っていたり、玉片を編み込んだ衣服も着ていたようで、権力の示しともいわれています。
また、貴族の遺体の目や鼻などの穴には、玉が詰められていたことが分かっています。
こうしておけば、肉体は永遠に腐らないと信じられていたのです。
こうした玉に対する憧れの歴史が、中国人を玉好きにさせているのでしょう。
若い女性は、玉のネックレス、玉のストラップなどと好んで玉を身につけています。
日本の女性が、貴金属やジュエリーが好きなのと同じ感覚でしょう。
今でも良質の玉が見つかると、驚くべき高値で売買されていることからも分かります。
また、中国の観光地のお土産店では、玉で印鑑を作成してくれるところがあったり、装飾品も多数販売されています。
玉には多くの種類がある
玉は硬度で言えば、軟玉と硬玉とに分けられ、軟玉は鉱物的には角閃石に属します。
硬玉はヒスイ輝石とも呼ばれるように、輝石鉱物に属します。
鮮やかな緑色のものは、特にヒスイ(翡翠)と呼ばれ、希少価値の高いものになっています。
ヒスイは、ニュージーランドでも古来から人気があったようです。
ターコイズといわれる玉は、トルコ石といえば分かりやすいでしょう。
トルコ石は、中南米でも古来から魔除けなどの目的で重宝されているようです。
また玉は、あまりに硬過ぎては装飾品としての加工ができないので価値がなく、そのため古代の中国では、玉の中でも加工のしやすさから軟玉が重宝されていたのです。
玉は、そのままでは透明性が低く、弱い光沢があるくらいのもので、加工してデザインするからこそ、玉としての価値があるのです。
もちろん、あまりに軟らか過ぎても加工デザインが保ちにくくなるので、ほどほどの硬さ(硬度4以上6未満)くらいの玉が最も喜ばれています。
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