骨董品の買取に行ったのに、『 遺品分配 』しますと言われた話
2022/6/13 08:19
当店は、高価買取専門店アワードにて、3年連続グランプリ受賞の東京日本橋1丁目に店舗を構えます、古美術天宝堂です。
骨董品の買取において、印象に残っているお宅のお話です。
岡山県の方からのご依頼で、お茶道具が結構あるので、買取をお願いしたいとのお話だったので、結構遠方なので、
「その場で売る売らないを判断して頂けますか?」
と申し上げた所、了承が得られたのでお伺いさせて頂きました。
お客様宅に到着すると、玄関先にズラリと置いて下さっております。
いずれも品の良い箱行きで、一級品はないけれども、筋の良いお品物でした。
話をしていくと段々雲行きが怪しくなってきました。
「これらの品物は、これから親族で集まって、遺品分配します」と。
「えっ!?いやいやいや、その場で売るか売らないかのご判断を頂けるというので、ご訪問させて頂いたのですが?」
「親族に相談しないといけません」
「それは本日出来るのですか?」
「出来ません」
「・・・では、この中の品物がご親族に分配されて、残り物を当方に買えとおっしゃるのですか?」
「・・・そうなります」
流石に頭にきて、査定の途中でしたが、退席させて頂きました。
既に遺産分配され、これらの品物を査定して下さい、というならば話は通ります。
これから遺産分配するならば、散り散りバラバラになってしまうのに、なんの為に査定したのか分かりません。
しかも、岡山県ですから簡単に行ける場所ではありません。少なくなった品物をまた取りにいかなければならないとなると、最早苦行でしかありません。
骨董品の買取査定をして、他社の値段の方が高かったので、申し訳ありませんがお帰り下さい、というならば自分の力不足だなと納得出来ます。
そんなこんなで頭を冷やす為にも、帰りには前々から行きたかった岡山県倉敷市の美観地区を観光し、帰途についたのでした。