冬場の長野県の骨董品の買い取りは命懸け
2022/6/30 14:12
当店は、高価買取専門店アワードにて、3年連続グランプリ受賞の東京日本橋1丁目に店舗を構えます、古美術天宝堂です。
骨董品の買い取りにおいて、印象に残っているお宅のお話です。
冬場の長野県に骨董品の買い取りに行ってきました。
何年か前に、アイスバーン状態の中央道でスピンした苦い経験が脳裏を横切り、冷や冷やしながら行ってきましたが、雪もそんなに残っておらず、無事に到着。
昔からの旧家という事で、建物も文化財級。これは期待出来るのではと意気込み、押入れに仕舞われている荷物を出す作業をしていると、素晴らしい細工の『斑竹の台』が出てきました。
(おおっ!!)っと喜ぶのも束の間…
女主人「これは家で使おうかしら」なんて言い出す始末。
(そりゃないぜ、セニョーラ!)
なんて雄叫びを上げても駄目で、他にも探していると、金重陶陽の窯変素晴らしい花活が出てきた。
(なんと名品!!)と驚いたが、
女主人「あっ、それもとっておくわ」
(なんですとぉ~!)食い下がっても、やっぱり駄目。
流石は旧家、遺産分与で四人兄弟で大部別けてしまったとの事だったが、センスがきらりと光る良いお宅でした。
お許しの出た物をちょこちょこ買わせてもらいましたが、ほろ苦い思いの残った骨董品の買い取りでした。