世界有数の大津絵取扱い業者が教える『真贋のポイント③』
2022/6/22 19:18
大津絵とは、江戸時代、東海道の大津宿で売られていたお土産品です。
明治時代に鉄道の普及や、お伊勢参りへの衰退化により、旅人の数が減り、大津絵は衰退していきました。
大津絵を得意として、数々の博物館、美術館に貸し出しや、納品をして、大津絵の審美眼に定評ある当店ならではの、大津絵の真贋のポイントをお伝えしようと思います。
⑧中谷季一(1906-1998)という人
柳宗悦とほぼ同時代に生きた京都の表具師で、日本民藝館所蔵の大津絵をよく描いています。
たまたま偶然、出来のよい作品だなぁと思い、勉強の為に購入してみました。
すると、京都の黎明教会資料研修館に95点もの作品が収蔵されているという事で、大津市歴史博物館の横谷学芸員と大津絵研究家のクリストフ・マルケ氏を誘って学術調査に行くことにしました。
中には写真では判断出来ない程、精巧な作品があり、地方の博物館の大津絵の収蔵品を調べてみると、何点かある大津絵の収蔵品の中に、中谷季一の作品が一、二点本物として紛れていました。
季一という判子が押された作品もありますが、中には無落款の物もあり、本物として収蔵されているのです。
大津絵らしからぬ、中谷季一のオリジナルの作品もありますが、額装が多く、独自の表具を、使っているので、一見して分かります。
近年では、所在の分からない珍しい図柄の物も写しているので、資料的価値があると思います。
中谷季一の作品を江戸時代の本物として売りに出せば、贋物となってしまいますが、中谷季一という人の作品と分かって売り買いされるのを願うばかりです。
大津絵研究の第一人者、クリストフ・マルケ氏の調査によると世界に散らばった大津絵の数は800点程だそうです。
未だ未発見の大津絵も出てきたとして1000点の大津絵しか存在しません。
古美術天宝堂では、今までに100点を超える大津絵を取り扱ってきました。実に世界保有の1割の大津絵です。
当店では、大津絵の買取と販売を強化しております。
大津絵の買取のご依頼は、東京日本橋1丁目に店舗を構えます、古美術天宝堂にお任せ下さい。
画像は、フランスパリにて開催された大津絵展に当店から貸し出した大津絵屏風(荷持奴、瓢箪鯰、釣り鐘弁慶、金太郎)、不動明王。
渡仏し、貸し出した大津絵屏風を観覧する代表増田。
脳科学者の茂木健一郎さんに当店の大津絵の取材を頂いた記事。