北野大茶会(きたのだいさのえ)

2014/2/28 17:53

天正十五年十月一日、九州遠征も終わり、上方に凱旋した秀吉は、京都の北野天満宮の境内で、古今未曾有の大茶会を開催した。北野天満宮は、文学の神様である菅原道真を祭ってあるので、中世期を通じて、神前に納するための奉納連歌会が、しばしば催されていたが、秀吉は連歌会にかわって、奉納茶会を開き、茶道の発展を祈ったと思われる。

当日の茶会の趣向は、北野の社殿四箇所を囲って、秀吉秘蔵の名物茶器を飾りつけ、名人といわれた利休を初めとして、津田宗及、今井宗久、それに関白秀吉じきじきのお手前で、茶を飲ませた上に、茶道に志ある者の希望に任せ、経堂から松原へかけて、千二百、三百軒の数奇屋、茶屋などを建てさせ、さまざまな趣向で茶事を行わせている。

以下、お触書の一部抜粋、

『茶の湯に執心とあらば、若党・町人・百姓以下の者でもかまわぬ。釜一つ、釣瓶一つ、呑物一つでもよい。また、茶のないものは、こがし(米を炒ったもの)でも苦しうないから、持参せよ。茶の湯の座敷は北野の松原だ。

畳二畳敷で、ことがすむ。詫び者は、稲掃でも、筵でも、苦しうない。坐る序列などは、自由でよい。

日本人はいうまでもないが、いやしくも、数奇の心がけがあるのならば、唐国の者でもまかりいでよ』

このような触書が出たので、当日は、洛中洛外(京都市外、郊外)の公家、大名、町人、百姓はもとより、奈良、堺の茶人まであわせて千人の大衆があつまった。

しかしながら、当初、十日間の開催の予定が、翌日には中止となってしまった。これには諸説ある。

①肥後で一揆がおこり、秀吉が不快を覚えたから

②一日で満足してしまった、秀吉のきまぐれ、秀吉が数百人のお茶を点てるのに疲れたから

③おもったより、人数が集まらなかったので、失敗を恐れて中止にしたなど  [茶道逸話]

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