縄文土器を自転車のカゴに入れて雪道を走る大学生、当然・・・
2022/7/1 15:36
当店は、3年連続、高価買取専門店アワードにてグランプリ受賞しました、東京日本橋1丁目に店舗を構えます、古美術天宝堂です。
古物行商許可を取り始めの大学生時分のお話です。
貧乏学生には、車など夢のまた夢の話、自転車でどこまでも行っていました。
ただその日は埼玉でも珍しく雪が積もり、業者のみが入れる市場に、片道45分程かけてペダルを漕いでいました。
今ならば、絶対に出歩かないけれど、若さというのは、時に無謀とも呼べるような無茶をやらかします。
幼児期にも父親に連れられて、業者市場を覗くのが好きな子供でしたし、雪道なんてなんのその、何が出てくるかワクワクしながら市場に向かいました。
市場に着くと下見をします。
まだ二十歳そこそこの青二才です。
場違い感が半端ないですが、百戦錬磨の業者にも負けない熱い想いだけはありました。
下見を始めると、40cm程の縄文土器が目に止まりました。
それまで縄文土器など博物館や本などでしか見たことないですが、(これだっ!)と確信しました。
競り台に上がってくるのを、今か今かと待ちます。
毎月の大学生のアルバイトで稼ぐ金額などたかがしれてます。
その中から骨董品を買う用に2万円程残していたと思います。
縄文土器が競り台に上がりました。
発句が、「5千円!」
誰かが「1万円!」
私も負けずと「1万5千円!」
と声を出すと、拍子抜けた感じで落札出来ました。
(あれっ?思った程高くないな・・・)
まぁ、予算は、2万円ですから、それ以上になっても困るわけですが、問題はそこからです。
(どうやって持って帰ろう・・・)
なにせ雪道です。
しかも自転車ですから、当然梱包する物などなんにも持っておりません。
会場に打ち捨てられていた段ボール箱に縄文土器を入れると、スポッと丁度良くハマりました。
(これで前カゴに入れて、出発っ)
安全第一、ゆっくりゆっくり走り始めましたが、すぐに難所が。
「坂道かぁ・・・」
20メートル程の下り坂があります。
自転車を降りて、段ボールを抱えるようにして歩を進めます。
そして平坦な道になったので、またペダルを漕ぎます。
10分~15分程走って、気が抜けたのでしょうね、少しスピードを出そうとした瞬間、
つるっ!
「おわぁぁっぁぁ~!!
凍った道にタイヤを取られて、スローモーションで倒れゆく自転車。なんとか縄文土器の段ボールを抱えるようにして、足を踏ん張ります。
「危なぁ~」
縄文土器もカゴから飛び出す事もなく、強く抱えて砕ける事もなく、なんとかセーフ。
その後は安全第一でなんとか自宅まで無事に辿り着き、またまたその後、縄文土器を催事に持って行き、3万円程で売れ、ホクホク顔で帰途につきました。
そんな訳で縄文土器には強い思い入れがあります。
縄文土器の買取ご依頼承ります。また縄文土器の買取だけでなく、骨董品全般の買取のご相談が可能です。
骨董品の買取は、全国無料出張・査定無料にて承っております。
骨董品の買取は、3年連続、高価買取専門店アワードにてグランプリ受賞しました、東京日本橋1丁目に店舗を構えます、古美術天宝堂にご相談下さい。