遠方の骨董品の買い取りに行ったら贋物率99.9%だった話
2022/6/24 12:01
当店は、高価買取専門店アワードにて、3年連続グランプリ受賞の東京日本橋1丁目に店舗を構えます、古美術天宝堂です。
骨董品の買い取りにおいて、印象に残っているお宅のお話です。
とある遠方に骨董品の買い取りに行ってきました。
車での往復1600kmの旅です。
数百点の品物があるということで、車に空の段ボールを大量に積み込み、意気揚々、前夜は興奮してか寝れないほど。
お邪魔すると、中国で最近焼かれた超巨大皿や超巨大花瓶がお出迎え。
とても嫌な予感がします。
部屋に一歩足を踏み込むと、やはり中国で最近焼かれた大皿やら花瓶やらがゴロゴロとならんでおります。
家主曰く「旧家の蔵の品物を一切合切買ったんだよ」
それが本当であれば、ご愁傷さまですと言わざるをえません。
「これが元時代のお皿でこんなのはないよ!」
(はい、ないから贋物なんですよ)と口に出すことも出来ず、
遠方まで折角来たのに、贋物しかないショックで、一通り説明する家主の方のお話が頭に入ってきません。
「中国の品物以外に、日本の物はないんですか?」と聞くと、二階の押し入れにしまってあると言う。
拝見すると、
(贋物ですねぇ・・・)
二重箱に入った仕立ての良い箱に、良い表具裂と見栄えはしますが、いずれも贋物。
しかも有名な作家ばかり。横山大観、上村松園、川合玉堂・・・。
恐らく同じ製作者。手間暇かけて作られた贋物のオンパレード。その努力を他の方に向ければ、良かったのに、と思う程。
本物であれば、一本数百万はする品々。
でも悪意のある贋物。
何か買える物はないかと探して、茶箪笥の中から錫の茶壺と備前のちょい古い徳利と煎茶碗位しかまともな物がないので、それらを買わせてもらう事に。
帰りは、片手に乗るサイズの段ボールに品物を詰め込んで、意気消沈、帰ってきて、ふて寝しました。
それでもめげずに、古美術天宝堂は、全国無料出張、査定無料にてお伺いしております。