『 東日本大震災そして骨董品売る売るサギ詐欺 』
2022/6/10 08:42
当店は、高価買取専門店アワードにて、3年連続グランプリ受賞の東京日本橋1丁目に店舗を構えます、古美術天宝堂です。
骨董品の買取において、印象に残っているお話です。
静岡県の富士で仕事をしていると一本の電話がかかってきました。
「福島の震災で倒壊の恐れのある蔵を解体するので、中の品物を買い取ってもらいたい」という解体業者からの連絡でした。
「中には鉄の湯沸かし?があったりとか、木箱の中から、つぼなかきょという領収書があります」
日本橋の大店です。しかも当時、鉄瓶は高値で売買されておりました。
「鉄瓶の蓋裏に何か書いてありませんか?」と聞くと、
「よく読めませんが、なんとか堂と書いてあるようです」
恐らく、龍文堂や亀文堂と書いてあると思われます。
「それで来て頂けますか?明日、明後日には取り壊してしまう予定なんですが」
「今、富士にいるので、これからすぐ出てそちらに向かいます。夕方には着くかと思います」
なんとか取り壊される前に、品物を救い出し、少しでも復興支援に充てて貰おう、と高速道路で急ぎ福島に向かいました。
そして埼玉と群馬の県境に入ったあたりで、先方に電話します。
「間もなく群馬です。後2時間程で到着します」と伝えると、
「夕方になると、この地区は封鎖されてしまって、入れません」
と、夕方に着くという事を言っていたのにも拘わらず、突然その様な事を言い始めるのです。
「では、明日の朝一番でお伺いしますよ」
「いや、私は一度東京に戻らないといけないので、取りあえず、小さな車ですが、詰めるだけ荷物を積んでお宅様のお店にお邪魔しますよ、現場にわざわざ来て頂いても、値段の付くお品物か分かりませんので」とおっしゃいます。
「では、店でお待ちしておりますね」と電話を切り、自宅に戻りました。
冷静に考えると色々と辻褄の合わない話がチラホラと出てきていました。
そして翌日、待てど暮らせど解体業者はやってきません。勿論電話も通じません。
(やっぱり)
愉快犯か何がしたかったのでしょうね。
念のため、福島の役場に連絡してみました。
「詐欺かもしれないのですが、この様な話があって」
と申し上げると、
「詐欺!それは大変です!すぐに調べます!」
東日本大震災がおこって、それに便乗するような詐欺は当然許せるわけがありません。役場の方も怒っていました。
結果、その地区に入る業者で東京の業者は居ないとの話でした。
そして警察に相談し、解体業者の連絡先を伝えておきました。
「実質的被害がないと警察では・・・」
「富士での仕事を途中で切り上げて、埼玉県と群馬県の県境まで高速使って行ったんですよ、使わなくてよいお金を使うはめになったんだから、被害はあります。翌日には店で缶詰状態でしたし!本来なら他の仕事が出来たんですよ?」
と、警察に話しても煮え切らない態度ばかりでした。
気分の良いお話ではありませんでしたが、この様なお話もあるという事を覚えて頂けたらと思います。
東日本大震災で被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、東日本大震災でお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げます。
そんなお話があっても、古美術天宝堂では、骨董品の買取に全国無料出張・査定無料にて東西南北、奔走しております。